植物界と現在の生物分類

動物のステロイドホルモン合成においてもエストロゲン合成に関わるCYP19(アロマターゼ)など重要なものがある。またプロスタサイクリン(プロスタグランジンPGI2)などの合成にも関与するものがある。アントシアニンは花の色素として重要な色素であり、アントシアニジンに糖が結合したものである。 呈する色の違いは、アントシアニジンB環の3位と5位の水酸化の違いによるものである。アントシアニジンの代表的なものには、ペラルゴニジン(橙-赤)、シアニジン(赤-紫)、デルフィニジン(紫-赤)がある。 3大切花と呼ばれる、バラ、キク、カーネーションは、世界市場においてそれぞれ27%、20%、6%のシェアを持つ。これらにおいて今までは青い花がなかったのは、これらにはデルフィニジンを作るために必要な水酸化酵素 (CYP75A) がなかったためである。 サントリーは青いカーネーションである「ムーンダスト」を1997年に発売した。また、青いバラの開発にも成功したと2004年に発表した。これらにはそれぞれペチュニア、パンジー由来の遺伝子が導入されている。

文部省(当時)の方針で目以上の分類群の和名になされてきた表記を代表的な生物名に置き換えられる試みが進行している(例:食肉目→ネコ目)。しかし、伝統的な名称になじみがあること、名前に意味を持たせていたものが失われること(鱗翅目→チョウ目)、あまりになじみのある名前の場合、所属する種との間に違和感が生じること(ネコ目にイヌがはいる)など、批判するものも多い。なお、あまり一般に使われていないような分野では、有力な研究者や学会などの総意などによって、科や目など上位分類群すべてまとめて和名を変更する場合がある。その場合、その分類群に所属する種ほとんど全部の名前が変わることもある(例:少脚綱・ヤスデモドキ綱→エダヒゲムシ綱、ドクグモ科→コモリグモ科)。最近は差別的表現とみなされる言葉の含まれる名前などがその対象となる例が増えている。ただし、言葉狩り的運動を嫌い、旧来の名を使う人もいて、複数の和名が併用されている例もある(例:メクラヘビ→ミミズヘビ)。「柑」と「橘」は、常用漢字ではないため、「かんきつ類(カンキツ類)」と仮名で表記することもあり、しばしば「柑橘類」と訳される「シトラス(英語:citrus)」は、厳密にはミカン属(Citrus)のことである。

この場合、どのような形質が基本的であり、どのような形質が些細であるかは、その分類群により異なっており、より自然分類に近づくように、それらを選ぶのが分類学者の判断である。たとえば種子植物であれば、一般的には花の構造や雌しべの内部の構造、維管束の配置などはより基本的なものであり、花の色、葉の形などはより些末な形質であると見なされている。つまり、植物全体の姿や花の構造がほぼ同じで、花の大きさや色と葉の形が違っていて、それらに中間型がなければ、それらを同属の別種と考える。もっとも、この部分に恣意性が入るのを問題視し、できるだけ多くの形質を抽出し、機械的な操作に任せる分岐分類学や、外部形態よりもより直截な系統関係が明らかになると考えられる分子遺伝学的方法も取り入れられつつある。しかしいずれにせよ、形態的特徴は重要なものと見なされる場合が多く、新たな方法でそれまでの判断とは異なった結果が出た場合には、それらの種の形態について、洗い直されるのが普通である。そもそも「属」と「種」は、アリストテレスの論理学に端を発する語である。ある特定の事物を類似により集めたものを種(species)としたとき、それをさらに一般化したものを類(genus)という。例えば「動物は生物の一である」と言ったときは動物が「種」で生物が「類」であり、「昆虫は節足動物の一である」と言うときには昆虫が「種」で節足動物が「類」である。

20世紀に入り増大した酵素の知見は、医療や治療薬に劇的な改革をもたらした。ヒトの体内で生じている代謝には酵素が関与しているため、酵素の存在量を測定する臨床検査により疾病を診断することが可能になっている(サブユニットとアイソザイム節の乳酸デヒドロゲナーゼの例を参照)。また酵素による調節〈ホメオスタシス〉の失調が病気の原因である場合は、酵素活性を抑制する治療薬によって症状を治療することができる。あるいは、酵素が欠損する先天性の代謝異常疾患が知られているが、発病前に酵素の量を検査することで、発症を抑える治療を行うことができる〈記事 遺伝子疾患に詳しい〉。

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